普段みなさんが聴いている市販されているCDやApple Music、Spotifyなどでストリーミング配信音楽は、大きく分けると楽曲制作(作詞/作曲/編曲)・レコーディング・ミックスダウン・マスタリングという順序の制作過程を経ています。
作詞や作編曲だけでなく、DAWソフトを使用してミックスダウンやマスタリングを自分自身で行っている人は、すでに経験済みだと思いますが、ミックスダウンやマスタリングのときのコンプレッサーやイコライザーなどのエフェクターはコツをつかむまでは本当に大変な作業です。
しかしコンプレッサーやイコライザーなどのエフェクターのコツをつかむことができなければ、作品のレベルアップをすることは難しいです。
STEP1:楽曲制作(作詞・作曲・編曲)
作曲・編曲が先
人により楽曲制作の手法やプロセスは違いますが、ポピュラーミュージックの世界では作曲・編曲(アレンジ)が先で、仮歌やシンセのメロディーの上に歌詞を付けて行くという手法が圧倒的に多いです。
現在だと作編曲(作曲・編曲)はDTM・DAWソフトを使用するというのが当たり前になっていますが、作曲に関しては簡単な録音機器(昔で言うラジカセなど)をメインにしている人も多いです。
ラジカセなどにメロディーを残すのは昔からあるスタンダードな作曲法ですが、思い浮かんだメロディーを即座にスケッチ感覚で残しておくというのは、時代が変わっても最強の作曲法なのかもしれません。
プロで活動する場合の作曲・編曲レベル
メジャーでの活動の場合はコンペに勝たなくてはいけませんので当然ですが、それ以外の作曲の仕事でも、作曲と編曲の両方の高いレベルがプロで活動する場合は確実に必要となります。
デモ音源を作っても、自動伴奏ソフトを使ったチープな編曲や、弾き語りの音源では声は掛からないと考えたほうが間違いないです。
STEP2:レコーディング
自宅でも高音質でレコーディングが可能
自宅でのレコーディングだと歌の録音とギターの録音がメインになります。DAWシステムの普及により自宅でも高音質でレコーディングすることが可能です。
レコーディングというと難しいイメージがあると思いますが、パソコンメインの自宅スタジオの場合は簡単に言えばオーディオデータをDAWソフトへ取り込む作業です。
自宅スタジオでのレコーディングで、DAWソフト以外に揃えておきたいのは「スタジオマイク」と「オーディオインターフェイス」です。
この辺りは「初心者のための宅録スタジオ・ガイド」や「ボーカル録音に必要なツール」が参考になると思います。
クオリティーの高いボーカル録音
やはりレコーディングで最も気を使うのは、楽曲の顔であるボーカルトラックですが、低価格な高音質マイクも増えたために、現在は誰でも手軽にクオリティーの高いボーカル録音を自宅ですることが可能になりました。
STEP3:ミックスダウン
2MIXにまとめ上げる作業
ミックスダウンはレコーディングした各パート(トラック)の様々なサウンドの音量や定位をバランスよくミキシングして、ステレオ・2トラック(2MIX)にまとめ上げる作業です。
エフェクターの設定など多くの方が頭を悩ませる作品のクオリティーを大きく左右する作業ではありますが、しっかりと編曲やレコーディングができていないと、いくら時間を掛けても上手くは行きません。
またプラグイン・エフェクトを多数使用するので、ストレスのないミックスダウン作業のためにはスペックの高いパソコンも重要になってきます。
プロで活動する場合のミックスのレベル
メジャーで活動するミキシングエンジニアほどの知識やスキルは必要ありませんが、低価格で制作環境を手に入れることのできる現在では、高いレベルでのミックスダウンのレベルが必要です。
音楽制作会社で作曲家募集している場合も、基本的には編曲だけでなくミックスダウン込みというのが暗黙了解となっています。
STEP4:マスタリング
最終行程マスタリング
ミックスダウンが終わると最終行程のマスタリングです。マスタリングには大まかに分けると、音圧レベルや質感の補正などの音を作り込んでいく作業と1枚のCDとして聴いたときに不自然にならないように各曲の音量などのバランスを取って行き調整する作業があります。
最終行程ということもあり、マスタリング作業で市販されている楽曲と自分の曲とのクオリティーの違いに気付く人も多いです。
この作業ではマスタリング・エフェクターであったりミックスの良し悪しが重要になると同時に、効率の良い作業の決め手となります。
DAWスタイルで「マスタリングある意味では究極ガイド」の連載を開始しましたので、マスタリングの技術をアップしたい方などは参照してみて下さい。
プロで活動する場合のマスタリングのレベル
ミックスダウンと同様に、メジャーで活動するマスタリング・エンジニアほどの知識やスキルは必要ありませんが、高いレベルでのマスタリングのレベルは必要です。
SpotifyやApple Musicに有償配信リリースするときには審査がありますが、その審査に通すことができるマスタリングのレベルは身につけておかなくてはいけません。