面接などの重要な局面ではじめて会う人に良い第一印象を与えようと服装を整えたり、美容院で髪型を整えたり、化粧を入念にしたりなど、ある程度自己投資をして会いに行くと思います。
そこには特に決まった理由はなくそれが礼儀だからです。デモ音源も同じです。人それぞれ受け取り方というのはは違うとは思いますが、音源を化粧してあげることは貴重な時間を割いてデモ音源を聴いてくれる人に対する礼儀だと思います。
本当にデモ音源を聴いてくれているのか?
反応がない
市販レベルクオリティーのデモ音源(デモテープ)を送り続けているけれど「送った相手からまったく反応がない」という方も少なくないと思います。
当然のことながら「本当にデモ音源をしっかりと聴いてくれているのか?」という疑問が湧いてくるのではないでしょうか。
聴いている会社もある
デモ音源を募集しているすべての会社を知っているわけではないので、完全には言い切ることはできませんが「本当にデモ音源をしっかりと聴いてくれているのか?」という疑問に答えるのなら、しっかりとデモ音源を聴いている会社もあれば、形だけの募集でまったく真剣には聴いていないというところもあります。
またリスナーとミュージシャンをつなぐのに重要なディレクターなどの肩書きを持っている方でも、そのセンスや能力を疑う方も、かなり居るということも知っておいたほうが良いと思います。
実力とチャンス
実力があれば評価されるのか?
実力があれば評価されるのかと言えばそういう訳ではありません。作詞家やサウンドクリエーターの場合はレベルがなければ話になりませんが、メジャーな世界で言えばバンドやユニットではないソロのボーカルに関しては音楽的な実力ももちろん必要ですが、実力以外の要素もかなり大きいです。
例えば同じくらいの実力、もしくはレベルが多少劣っていたとしても、年齢の若いボーカルの方のほうに、わたしでも声をかけます。それは商業ベースというのが前提だからです。
チャンスに備えておく
実力があっても運がないという方や、運はあっても実力がないという方も居るのは事実です。ただ一つ言うことができるのは、しっかりと活動してレベルアップして行けば、突然やってくるチャンスに対応することができるか、できないのかは別ですが、誰でも何度かは大なり小なりのチャンスは巡ってくるということです。
そのため仕事ベースに対応することができるように、デモ音源をレベルアップさせてチャンスに備えておくことをオススメします。
デモ音源をレベルアップさせる
才能や可能性を理解してもらう
デモ音源は自分の才能や可能性を理解してもらうために必要なモノで、その人の音楽に取り組む姿勢やレベルなども分かってしまいます。
そのため誰かに理解されたければボーカルにしても、バンドにしても、サウンドクリエーター志望にしてもデモ音源をレベルアップさせるたの音楽制作ツールを揃えたりするある程度の自己投資は必要だと思います。
レベルアップと自己投資
デモ音源をレベルアップさせためのDTM・DAWソフトをはじめとする自宅録音の環境を整えるのに、現在では低価格が進んでいるので高額な金額などは必要ではありません。
パソコンだけを取ってみても最新パソコン・モデルが発表されるたびに低価格化、もしくは価格据え置きでスペックが向上しているので、昔とは違い大きな買い物ではなくなりました。
最近ではスタンダードになったオンラインでPCをカスタマイズしてオーダーすることができる「BTO PCショップ」や「メーカー直販PCショップ」では、ある程度しっかりとした作品を作るのには充分な新品のパソコンが3万円台から販売されています。
それでもパソコンをはじめとする音楽制作ツールを揃えるのにはある程度の出費は必要ですが、どんな世界でも一流と呼ばれるようになるためにはある程度の自己投資は必要です。
それに専門学校に通い高い授業料を払い音楽を学んだり、楽曲毎にアマチュアの制作依頼も受け付けてくれる音楽制作会社に発注するよりも自分で音楽制作環境を整えるほうが明らかに低価格で済みます。
評価されて行けば元は取れる
揃えた音楽制作ツールから音源を作り才能を評価されて行けば、元を取れるだけではなく大金を生むということも充分に考えられます。
せっかく機材的にはプロもアマチュアも大差がなくなったのですから、ぜひデモ音源をレベルアップさせて現状を変えて下さい。
音楽制作に必要なソフトや何を揃えれば良いのか分からない方などは『宅録スタジオ構築ナビ』の「初心者のための宅録スタジオ・ガイド」や、このサイトの「自宅スタジオを作ろう」などで分かりやすく音楽制作に必要なツールを紹介しているので、そちらを参照して下さい。
現在のサウンドクリエイターのデモ音源の一般レベル
ここでは現在のデモ音源のレベルについて書きたいと思います。当サイトで行なっている「オンラインBAND」に参加希望を出した方が初めに送ってきたデモ音源のレベルを元に少し辛口に書きますが、音楽で生計を立てたいと思っている方には参考になるのではないかと思います。
完パケに近いレベルの方
曲の良し悪しは別にして、サウンドクオリティーに関してはインディーズレベルや、オンライン配信なら充分に販売することのできる、ほとんど完パケに近いレベルの方が7割くらいいました。
参加を承認させてもらった方はトラック制作はもちろんのこと「ミックス」「マスタリング」まで、しっかりとできていて、ボーカルのピッチ補正をはじめとする編集もしっかりできている方がほとんどです。
もちろん通るか通らないかはまた違う話ですが、実際に参加している人も居ますが楽曲コンペなら参加することはできるレベルで、後は自分ならではのメロディーとアレンジという点にこだわれり持って楽曲制作して行けば、その内に良い結果が出せるのではないかと思います。
参加を見送らせてもらった方
当サイトの企画への参加を見送らせてもらった方は、作曲だけできても評価される時代ではないので、市販されている楽曲と自分の楽曲のクオリティーを比べて、編曲やミックスとマスタリングを研究したほうが良いと思いました。
また特に気になったトラックがギターです。ギターが弾くことができず打ち込みで代用するのであれば、今は「ギターのソフトシンセ」と「アンプシミュレーター」を使用すれば、仕事でも対応することができるレベルでギター・サウンドをリアルに再現することができる時代なので、もう少し気を配ったほうが良いのではないかと思います。
ボーカルのデモの音質レベル
充分に対応することができる方
その人の歌を多くのリスナーに届けるために全力で動きたいかと聞かれたなら、その回答には困りますが、仮歌やオンラインでの楽曲制作なら充分に対応することができる状態でボーカルトラックを録音することができている方が半数くらい居ました。
デモ音源を聴く人は「歌は上手くて当たり前」「歌の上手い人間はたくさん居る」ということを前提に判断しますので、自分の何をアピールしたいのかを明確にデモを通して伝えることが重要です。
音が悪すぎる方
残りの方はいくら何でも音が悪すぎます。ボーカルなのである程度は辛抱することができますが、やはり限界があります。現状のままだとネット上で力になってくれるレベルのあるメンバーを探すのは、まず無理だと考えたほうが良いです。
ボーカルの場合は募集形態がさまざまで、タレント性も重視するところも多いので、音質の良し悪しを上回る何かがありアピールすることができれば問題はありません。
しかし、せっかくパソコンが普及しているので「ボーカルだから音質は関係ない」と言わないで、DTMバンドル製品なら「宅録用のマイク」と合わせても、それほど金額が掛かからないので最低限の録音ツールは揃えておきましょう。
また鼻歌(自称アカペラ)の方も1割くらい居ましたが、正直なところ鼻歌ではリズム感が分かりません。ましてや聴いてる側が知らない曲だと音質が良くてもさすがに辛いです。
そのため、しっかりとオケに合わせて歌ったデモを送ったほうが良いと思います。