音楽活動をしている人は「マスタリング」という言葉を耳にする人も多いのではないでしょうか?
誰でも手軽にCDを焼けるようになり、自分の曲をCDに焼いて聴いてみたり、自分の作った曲をパソコン上でiTunesや、スマフォの再生プレイヤー用にmp3に変換して聴く人が増えています。
市販されているプロの曲と同じ条件で、自分の作った曲を手軽に聴き比べができるようになったものの、市販されている曲と自分の曲を並べて聴き比べたときに、自分の制作した曲の音量が小さかったり迫力がないと感じている人は、かなり多いと思います。
それではなぜ市販されている曲は迫力があるのかと言いますと、市販されている曲はミックスダウンが行われた後に、最終行程であるマスタリングという作業が行われているからです。
マスタリングの作業
マスタリングは「各曲の音量などのバランスを取る作業」と「音圧レベルや質感の補正する作業」の2つの作業に大まかに分けることができます。
各曲の音量などのバランスを取る作業
まず「各曲の音量などのバランスを取る作業」は、複数の楽曲を1枚のCDとして聴いたときに不自然にならないように、各曲の音量などのバランスを取って行き調整する作業です。
複数の楽曲を収録するアルバムの場合は、楽曲ごとにミックスした人が違った場合は音量差がどうしても出てきますし、曲調も違う場合もありますのでマスタリング時に補正しないと、どうしても不自然にになります。
たまに音が小さければリスナーがプレイヤーで音量を上げれば良いというような乱暴で自分勝手な考えを持っている人も見かけますが、リスナーが楽曲ごとにボリュームの調整をしたりすることのは面倒です。
アマチュアの世界では通用しても、1枚のアルバムのなかで、リスナーに楽曲ごとにボリューム調整させるというのはプロの世界ではありえません。
音圧レベルや質感の補正する作業
次に「音圧レベルや質感の補正する作業」は、ミックスダウンが終了した2ミックスの音源にEQ、コンプ、リミッター、マキシマイザーなどのエフェクターを駆使して音圧レベルや質感の補正などの音を作り込んでいく作業です。
初心者向けガイドなので補足として記載しておきますが、この作業の後にCDに書き込まれたり、MP3ファイル等へ変換されますので「音圧レベルや質感補正」は正確にはプリマスタリングです。
しかし暗黙の了解的に、マスタリング・エンジニアが行う2ミックスのEQ調整や最終レベルを決定する作業のことをマスタリング作業と多くの人が呼んでいます。
そのため、プリマスタリングをマスタリングと呼んでも、まったく問題はなく、それで話は通ります。
むしろ、DAWソフトで誰でも簡単にマスタリング作業を行うことができるようになった時代に「それってプリマスタリングだよね?」というような感じで、「音圧レベルや質感補正」の話をしているときに、水を差す人に違和感を覚える人のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。
現在のマスタリング事情
作曲家にマスタリングは必須作業
DTMが低価格になり、誰でも費用をかけることなく手軽に音楽制作を始めることができる時代になりました。
一昔前は作曲家はミックスやマスタリングまでの技術はそれほど必要ではありませんでしたが、現在はマスタリングまでできるのが当然です。
プロで活動したい人や、YouTubeをはじめとする配信サイトで多くの人に評価されたい人は、知識や経験が必要となりますがマスタリングも必須のスキルとなります。
クオリティーのない作品で評価される確率は低い
誰でも気軽にYouTubeなどの配信サイトでは、音楽だけでなく映像でもプロのクリエイターが参入してきています。
配信サイトが普及する前の駆け出しの時代とは違いますので、しっかりとマスタリングされていないクオリティーのない作品で評価される確率は、ウケ狙いは別としてかなり低いでしょう。
楽曲コンペもマスタリングするのが当然
楽曲コンペなどでも、サウンドクリエーターがミックスダウンからマスタリングまで最近は行います。
ある程度完成形を見せなくては、現在のコンペに勝つことは難しいため、弾き語りなどでコンペ参加する人は少なくなっています。
音楽業界が低迷しているのは誰もが知っていることだと思いますが、そんな状況でレコード会社や事務所が、実績のない作曲家にコンペ用にプロのエンジニアを付けてくれるというのは予算の問題もあり難しい話です。
脱アマチュア! マスタリング
仕上がった作品にアマチュアっぽさが出てしまっていて、今ひとつな人などはミックスダウン同様にマスタリングもポイントです。
マスタリングはプロを目指すアマチュアの人(特に作編曲家志望の人)にも、作品のクオリティーを決める大事な作業ですので、ぜひ、外部で公開しているサイトも含めて、当サイトが運営しているマスタリング講座を参考にしてみて下さい。
新たにレベル補正と質感の補正を中心の現代版のマスタリング講座を公開する予定で、ステムミックス(グループ分けしたミックス)から行うマスタリングも解説する予定でいます。