打ち込みしたデータをオーディオデータに変換、楽器録音、歌やコーラスの録音も終わると、いよいよミックスダウンの作業へと移ります。
しつこいようですが、悪いモニター環境でいくらミックスダウンをしても上手く行かないので、ミックスダウンを始める前に「ミックスダウンの準備講座」を参照してスピーカー、ヘッドフォンなどのモニター環境や、お手持ちのプラグインエフェクターをチェックしておきましょう。
ミックスダウンの順序
ドラム & ベースから
ミックスダウンの順序には、これと言って明確な決まりや制約がある訳ではありませんが、ポピュラーミュージックの場合は、まずは楽曲の土台であるドラムとベースから手を付けて行く場合が多いです。
ピアノから静かに始まるバラードなどの楽曲で、サビやワンコーラス目以降にドラム & ベースが出てくる場合でも、基本的にはドラム & ベースからミックスダウンして行く人が圧倒的に多いです。
まずは低域であるベース、バスドラム(キック)から最初にに手をつけ、中域のスネアドラム、高域のハイハットの順に作り上げて行きます。
ベースをバスドラムの上と下どちらに置くかなどの、ミックスダウンの方向性はリファレンスとなる曲を参考にこの時点で明確にしておくと良いと思います。
ベースのラインが見えていること目指す
以前「ドラムとベースのミキシング作業」でも紹介していましたが、ベースとバスドラムとの関係は非常に重要です。
慣れないうちや、コツをつかむまでは、ある程度意識してミックスダウンが終了したときにベースのラインが見えていること目指して行く方向でミックスダウンの作業を進めると良いと思います。
ベース、バスドラム、スネアドラム、ハイハットの処理が終わったら次にタム、シンバル、ドラムループや、パーカッションに手を付けて楽曲の土台を作り上げて行きます。
コード楽器、上モノ、コーラス、メインボーカル
ドラム & ベースの処理が終わったら、次にリズムギターやピアノなどのコード楽器に手を付け、その次にストリングスやシンセ系の上モノや、ソロ楽器といった感じでまずカラオケを作り上げるのが 一般的なミックスダウンの順序です。
カラオケを作り上げた後に、コーラス、メインボーカルというような処理をして行くのがミックスダウンの作業では効率的と考えられています。
上記のミックスダウンで上手く行かない場合
ミックスが飽和状態
上記の方法で、歌がメインの曲でのミックスダウンするときに、初めにカラオケを作り、その後にボーカルを乗せる方法でミックスダウンの作業をしている方が、すでにDAW環境で音楽制作している方のなかでも多いのではないかと思います。このミックスダウンの方法で上手くいっている方はまったくは問題ありません。
しかし、各パートを個別に聴くと、良く聴こえているけれど、全パートを合わせると、しっくりこない方や、ボーカルを乗せたときに、最終的にはミックスが飽和状態になってしまう方も少なくないのではないでしょうか。
モニター環境や、プラグインエフェクター、ソフトシンセなどの音源が整っているにも関わらず、ミックスダウンが、そのような形になってしまっているという方は「ミックスダウンの落とし穴」にハマっている可能性が大きいです。
次のページではミックスダウンが上手く行かない方のために、ミックスダウンの落とし穴について説明します。
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