SM58 ボーカル録音05
〜SHUREの定番ダイナミックマイク〜
SM58で音がこもったりキンキンする場合
質問のなかでは『SM58』でボーカル録音したときに「ボーカル音がこもっていて抜けが悪い」と「ボーカル音がキンキンする」と、まったく音質に関して違った意見が数名からありました。
実際に何名かに音源を送ってもらいチェックしたので、簡単な対策法を記載しておきます。
ボーカルがこもる場合の対策
まず『SM58』の音質に関してですが、ボーカル用に最適に調整されていますので、中高域に特徴があり、強調されているため、抜けの良いサウンドが特徴のダイナミックマイクです。
お腹からしっかりと声を出していて「こもっていて抜けが悪い」場合はマイクの入力レベルの調整ができていない場合や、マイクとボーカルとの距離が適切ではない可能性が高いです。
ボーカルがキンキンする場合の対策
男性ボーカルでしっかりとした発声ができていてファルセットではない、トップキーがA〜Bくらいの一般的なキーであれば問題はないですが、ハイトーンのボーカルの人は『SM58』の中高域の特性上、声がキンキンしてしまう場合があります。
対策として取れるのは、録音時にセッティングで『SM58』の高域の感度を悪くすることと、録音後のEQ(イコライザー)での調整となります。
まず、顎のあたりに少しマイクスタンドを低くしてから、右上の絵(ジョークみたいな絵ですが)のようにマイクを上向き設置して『SM58』の高域の感度を悪くすると、耳につく高域を軽減することができます。
SM58以外にも使える
この方法は『SM58』だけでなく、他のダイナミックマイクでも使えますので、覚えておくと良いと思います。
そして、同様の悩みを抱える人なら誰もが試したことがあると思いますが、EQで中高域の不快な耳につくポイントをカットすることです。
このふたつの方法が「マイクの持つ本来の性能を活かしているのか?」と聞かれたのなら、答えはノーですが、目的は使えるボーカルトラックのレコーディングですので、買い替えを検討する前に、ぜひ一度試してみてください。
ただ「低価格スタジオ・マイクの定番」を見てもらえれば分かると思いますが、最近はマイクはかなり安くなっていますので、あまりに無理やり感がある場合などは買い替えたほうが得策です。
この記事をもちまして『SM58でDTMボーカル録音』は終了とさせてもらいます。全5回での構成となりましたが、今までSM58に関する質問をくれた人たちへの回答となっています。
今後『SM58』に関する質問をもらっても、個別もしくは、今回のようにページを割いての回答はしませんが、自宅スタジオで納得のゆくボーカルトラックのレコーディングができることを願っています。
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