作曲と演奏力 〜作曲に演奏力は必要か〜

作曲講座3 ワイド画像1
作曲の手法は人により違います。弾き語りで作曲する人もいれば「初心者DTM作曲講座」のように、ある程度コード進行や編曲を固めてから作曲する人もいます。

また、しっかりとした楽曲にすることを前提とした鼻歌ならば、鼻歌での作曲もありだと思います。「作曲と音楽理論」では作曲にそれほど必要のないものを中心に書きましたが、この「作曲と演奏力」では作曲にどのくらいの演奏力が必要かということを中心に書きます。

楽器は弾けたほうがよい

よい演奏家がよい作曲家という訳ではない

「作曲に演奏力は必要か」という問いに答えるのなら、結論から言うと、必ずしも「よい作曲家が、よい演奏家」で、「よい演奏家が、よい作曲家」という訳ではないと言うことを付け加えた上で、ピアノなどのキーボード系の楽器か、ギターのいずれかは弾けたほうがよいです。

弾き語り程度は楽器が弾けたほうがよい

確かにDTMやDAWソフトがあれば、楽器を弾けなくても、作曲や編曲をすることができますが、コードを覚えると何となく楽器を弾いていても、メロディーが浮かんでくる場合があるので、以下のギターもしくはピアノのサンプルの弾き語り程度は楽器が弾けたほうがよいです。

<ギターの弾き語り>

<ピアノの弾き語り>

鼻歌での作曲

鼻歌で作曲している人も居るかも知れませんが、たまに浮かんだメロディーをスケッチするくらいなら鼻歌で作曲してもよいと思います。

しかし、それを頻繁にやるのには「さあ作曲しよう」というときには、一般的にはやはり限界があるので、ある程度は楽器が弾けたほうがよいと思います。(上のサンプルに使用しているメロディーは「1曲完成講座」で使用しているメロディーです。)

サンプルを聴いて、音楽を始めたばかりの人や、まだ始めていない人のなかには「これは難しい無理だ」と思った人もいると思いますが、作曲スキル講座の「コードの覚え方」に書いてあることを実行すれば、この程度ならすぐに弾けるようになりますので安心して下さい。

音楽とテクニック

よい演奏とはテクニックのすぐれた演奏ではない

THE BEATLES 1
ギターにしてもピアノにしても、よい演奏とは必ずしもテクニックの優れた演奏ではありません。

ビートルズ(The Beatles)の名曲「Let It Be(レット・イット・ビー)」のイントロの象徴的なピアノは皆さんも一度は耳にしたことがあると思いますが「Let It Be」のピアノの演奏自体は、けして技術的には上手いとは言えません。

しかし世代を越えて世界中の人々の心を打ち、今でも多くの人に愛されています。それはテクニックを越えたところで、音が表現されているからだと思います。

なので「Let It Be」は素晴らしいピアノ演奏だと言い切ることができます。

2000年にリリースされたビートルズのベスト盤『THE BEATLES 1』はイギリスとアメリカで1位を記録したシングル曲を中心に全27曲が収録されています。

26曲目に、ここで紹介した「Let It Be」が収録されていますが、他にも「The long and winding road(ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード)」「Yesterday(イエスタデイ)」「Hey Jude(ヘイ・ジュード)」など、本当に誰でも一度は聴いたことのある有名な曲ばかりが収録されています。

<2024年追記>
27年ぶりの新曲であり、ビートルズ最後の新曲として2023年11月にリリースされた「Now and Then」は『THE BEATLES 1』には収録されていませんので注意して下さい。

AIを用いたことにより、再現が可能となった「Now and Then」は『ザ・ビートルズ 1967年~1970年』 2023エディションに収録されています。

ザ・ビートルズ 1967年~1970年

テクニックを越えたところで評価される

テクニック的なことは時間が解決してくれる

ここでひとつ考えてみて下さい。もし音楽がテクニックだけでよいのであれば、ボイストレーナーをはじめとする音楽講師の人などは、もっと音楽シーンで脚光を浴びているハズだと思いませんか?

しかし実際はそうではありません。それは作曲をはじめとして、音楽というのは「テクニックを越えたところ」で評価されるからです。

テクニック的なことは時間が解決してくれます。この「テクニックを越えたところ」が世間一般の言葉で言い換えると「感性」とか「才能」と言うのだと思います。

「感性」や「才能」を形にする

ただし、どんなに素晴らしい「感性」や「才能」も実際に音として形にすることができなければ、まったく意味はなく、誰かに相手にしてもらうのは難しいモノです。

そのため、音楽を自分ではない誰かに理解してもらうためには、それなりの形にしておく必要があります。

この辺りは詳しくは「作曲家のプロへの道」「作品を聴いてもらう準備」で書いていますので、そちらを参照してみて下さい。

<作曲と演奏力のまとめ>
作曲するときに「よい作曲家が、よい演奏家」で、「よい演奏家が、よい作曲家」という訳ではないですが、ピアノなどのキーボード系の楽器か、ギターのいずれかの楽器は、弾き語り程度でよいので弾けた方がよいです。
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